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『孤立する存在』河野道代 panta rhei 叢書03

¥770 税込

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 文学において、普遍性と時流とのあいだに引き裂かれつつ「孤立する存在」、稀有でありながら、あるいは稀有であるがゆえに本質的なそのありかたを問いつめる。「孤立する存在は、発見者あるいは支援者の貌をして近づいてくる微笑みに微笑み返すことはない。」──逆説的で、またそれゆえに危険を帯びた正統性である「孤立する存在」とはなにか。またどのようにして彼または彼女は、その時代から隔絶し、かつ時代を超えた星辰として輝くに至るのか。[第11刷]

この小さな叢書は、研ぎ澄まされた詩的思考をもって同時代詩に距離をおく詩人による、批評と随筆のシリーズ。



詩人。福岡県生れ。その詩作品は、メタフィジックスと音楽美とが一体化した稀有な完成度をもつ。
1977年刊の第一詩集『銅版風景』は高い評価をもって迎えられ、その後、1986年に詩誌「るしおる」に発表された連作「回想と現身 そのほか」が安東次男に絶賛された。
現代詩壇の、韻律や修辞の追究に詩の本質を求めることなく、時流を追う皮相な現代性に重きをなす趨勢から、決定的な距離をとっている。「回想と現身」をふくむ詩集『spira mirabilis』(1993)は、ある賞の授賞決定の報を受けたが、辞退。
彫刻家・若林奮の慫慂により、詩画集『花(静止しつつある夢の組織』を共同制作して、1998年に7部刊行(のちに普及版も刊行されたが、現在絶版)。2000年に東京のギャラリー池田美術で展示が行われた。
若林の死後、追悼の意を込めてその彫刻やドローイングをモチーフに、『花・蒸気・隔たり』を panta rhei より刊行。言語芸術と造形芸術との間に新しい詩的次元を創出した(2009年度読売文学賞受賞)。
2012年刊行の散文集『時の光』は、窓辺で小さな生命と向き合う中、透徹した視線と繊細で精緻極まりない日本語とによって書かれた「詩的黙示録」である。
2017年よりエッセイや評論を小冊子に収める panta rhei 叢書を創刊し、『詩史の形成』『凧』『山鳥の味』『詩の慄き』などを刊行中。
2022年、詩集『思惟とあらわれ』を panta rhei より刊行。
2023年、詩集『調和の幻想』を panta rhei より刊行。

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