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『調和の幻想』河野道代

¥4,400 税込

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河野道代の新詩集。
ロゴスがもたらす理性の歓びとエロスが生む感性の慄き。
二つの深甚なる生の充実を、論理と官能を綯い合わせる詩的言語によって
同一の次元に表すこと──河野道代の新詩集『調和の幻想』は、
詩を多元的に感得する、究極の調和の実現へ向けた挑戦的な試みである。
それは、永く著者の言語活動の光たりえてきた
幾人かの偉大な詩的精神への、形而上学的な恋愛詩のかたちをした
スリリングな献げものとなった。困難に満ちた彼らの生の深みに、
みずからの生を映し重ねる試みは、
さまざまに分光する15の詩篇へと結晶する。

収録詩篇:
公苑のスケート

夏に後れて
アリアのように
黒水仙の日々
楽興の時
気まぐれな休日
明るい部屋
ベル・カントの季節
春の出来事
時を渡る雨
白鳥
かそけきものにより損なわれ
山頂の眺望
光のつらなり



詩人。福岡県生れ。その詩作品は、メタフィジックスと音楽美とが一体化した稀有な完成度をもつ。
1977年刊の第一詩集『銅版風景』は高い評価をもって迎えられ、その後、1986年に詩誌「るしおる」に発表された連作「回想と現身 そのほか」が安東次男に絶賛された。
現代詩壇の、韻律や修辞の追究に詩の本質を求めることなく、時流を追う皮相な現代性に重きをなす趨勢から、決定的な距離をとっている。「回想と現身」をふくむ詩集『spira mirabilis』(1993)は、ある賞の授賞決定の報を受けたが、辞退。
彫刻家・若林奮の慫慂により、詩画集『花(静止しつつある夢の組織』を共同制作して、1998年に7部刊行(のちに普及版も刊行されたが、現在絶版)。2000年に東京のギャラリー池田美術で展示が行われた。
若林の死後、追悼の意を込めてその彫刻やドローイングをモチーフに、『花・蒸気・隔たり』を panta rhei より刊行。言語芸術と造形芸術との間に新しい詩的次元を創出した(2009年度読売文学賞受賞)。
2012年刊行の散文集『時の光』は、窓辺で小さな生命と向き合う中、透徹した視線と繊細で精緻極まりない日本語とによって書かれた「詩的黙示録」である。
2017年よりエッセイや評論を小冊子に収める panta rhei 叢書を創刊し、『詩史の形成』『凧』『孤立する存在』『山鳥の味』『詩の慄き』などを刊行中。
2022年、詩集『思惟とあらわれ』を panta rhei より刊行。
2023年、詩集『調和の幻想』を panta rhei より刊行。

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